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クム と クムフラについて

210402_1.jpg 【KUMU クム】とは大樹の根っこという意味だ。
いわゆる土台・根源・ルーツ!転じて、フラを起源とするワードであるため、正確にはフラの指導者を指すが、そこには深い意義が存在する。

古代文化はほとんど、どこの国においても"神々と人間との関わり"を核として発祥し、宗教的儀式を伴って発達を遂げた事は周知の通りだが、ハワイの神事祭礼を司っていたのは【KAHUNA カフナ】と呼ばれる、ある意味スピリチュアルパワーを兼ね備えた知識人だった。
カフナ達は、祈祷とともに神に捧げる"全身全霊の舞踊"として、【HULA フラ】を確立してゆく。
1810年 カメハメハ大王による統一と相成るまでのハワイは、王族の首長達が土地を治めていたので、王族それぞれにカフナとダンサーが帰属していた。当然ながらフラの芸風や創造性も異なり、その後ハワイ諸島あちこちに"流派"が誕生してゆくわけだ。
フラ集団は競い合いながら、より芸術性を高め、フラの指導を専門とするカフナが必要になる。【KUMUHULA クムフラ】の出現である。
クムフラと称されるには、カフナを祖先に持つ 'AHAHUI(アソシエーション)の面々から"フラ家系の長"として認められなければならない。
端的に言えば"教示する師"を必要としなくなった最高位のフラマスターがクムフラである。

日本のフラ界においては、ハワイのクムフラからクム(フラの指導者)として認可された者だけが【KUMU】の称号を得て、"Hidden Treasure"いわゆる「お家芸」の指導と流布を許されるのである。また、クムとなってはじめて「振り付け」を容認される。
クムとなる必須条件は、フラの技術のみならず、PAHU(太鼓)をはじめとする打楽器を用いたチャントや、OLI(祝詞)・生活のあらゆるシーンにおける基本60数種に及ぶPULE(祈り)・ハワイ語の理解と発音・祭事やショーを演出する能力・精神性等々、師匠であるクムフラの"お眼鏡に適う"まで努力を怠らない事である。

私は【KUMU】の証書を2013年に授与されてから、さらにナラニ・カナカオレ師匠の元で学んでいるが、「フラに 'UNIKI(卒業)はないわよ」という厳しい言葉を受けた。
そして、師自ら「私自身、まだ研究をしなければならない遺産が山ほどある」と語った。
あとからあとから湧き出づる、学ぶべき宝物の多さに.....ああ 生涯終わりのない修行が続くのだ!と、苦しくも嬉しい、今もなお永遠の護身符を手にしたような気持ちなのである。

emiik.

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