最近のエントリー
月別 アーカイブ
- 2023年12月 (1)
- 2023年6月 (1)
- 2023年2月 (1)
- 2023年1月 (1)
- 2022年10月 (1)
- 2022年4月 (1)
- 2022年3月 (1)
- 2022年1月 (1)
- 2021年12月 (1)
- 2021年11月 (1)
- 2021年10月 (1)
- 2021年9月 (1)
- 2021年8月 (1)
- 2021年7月 (1)
- 2021年6月 (1)
- 2021年5月 (1)
- 2021年4月 (1)
- 2021年3月 (1)
- 2021年1月 (1)
- 2020年11月 (1)
- 2020年10月 (2)
- 2020年9月 (1)
- 2020年7月 (1)
- 2020年6月 (1)
- 2020年5月 (1)
- 2020年3月 (1)
- 2020年1月 (1)
- 2019年11月 (2)
- 2019年9月 (1)
- 2019年7月 (1)
- 2019年5月 (2)
- 2019年1月 (2)
- 2018年10月 (1)
- 2018年5月 (1)
- 2018年1月 (1)
- 2017年1月 (3)
- 2016年6月 (1)
- 2016年2月 (3)
- 2015年11月 (1)
- 2015年10月 (1)
- 2015年9月 (2)
- 2015年8月 (1)
エミイの宝箱
< 《 ブーゲンビリア 》 | 一覧へ戻る | 2022 ALOHA PONO >
《 KĪLAUEA 》
ハワイ島キラウエア火山は、地球の中心奥深くからマントルが上昇し、直接、マグマを押し上げる『ホットスポット』という世界で最もパワフルな場所に存在する。近現代では、1983年に比較的大きな噴火を起こして以来、たゆまず活発な活動を持続してきた。HALEMA'UMA'U(ハレマッウマッウ)クレーターの PU'U'Ō'Ō(プッウッオーッオー)火口から噴出する溶岩は、"ゆっくりねっとり"穏やかに海に向かって流れてゆく。これは『ハワイ式噴火』と呼ばれていて、地表または岩底を這う溶岩流のスピードが遅く、爆発的な現象がめったにないため、噴火中にもかかわらず観光スポットとなっているのが特徴的だ。
2018年4月、『女神ペレが久しぶりにまざまざと目覚めた!』というニュースがハワイ中を駆け巡った。35年ぶりに、マグニチュード6の地震を伴い、プナ地区南部には真っ赤な燃えたぎる溶岩が吹き出した。地響きとともに稲妻が夜空をつんざき、激しい雷雨がヒロの街一帯にまで及んだそうだ。噴火が繰り返され、ハレマッウマッウクレーターは"マグマ溜まり"が一気に350メートル以上大陥没した!...という経緯だった。この火山活動の真っ只中、私はハーラウの生徒20人を引き連れてハワイ島ヒロに宿を取り、予定通りフラの旅をドキドキしながら続けていたのだが、夜になると遠方には、溶岩が発する光りで空が燃えるように赤く染まっていた。ベッドに横たわっても、躍動する無限のエネルギーが伝わり、身体中が震え眠る事ができなかった。
今回の大噴火は『火口岩盤に染み込んだ雨水の圧力が引き金となった』と報じられたが、確かに火山周辺からヒロまで、ハワイ島東部におけるこの年 1~3月の降水量は例年の3倍以上と多かった。私はちょうど2月に、約2週間稽古のためヒロにいたのだが、どしゃ降り続きで肌寒い毎日、泥だらけのビーサンで車の乗り降りをしていた記憶がある。ある日の稽古後、傘もささずに駐車場へ向かう途中、クム ナラニカナカッオレが言った。『久しぶりにこの雨は女神ペレの血となる』と。
2018年10月、噴火が沈静し再び入園が許可された"キラウエア火山国立公園"を訪れた私の目に飛び込んできたのは、バックリ!とそれまでの2倍以上の巨大さで、地底へと口をあけた凄まじいハレマッウマッウの姿だった。漆黒の壮大なカルデラの火口からは赤い溶岩が消えていた。ヒロに滞在中、私は、この"抜け殻" のようなイメージに豹変した女神ペレの棲み家を何度も訪れ、森の仲間達に尋ねた。
「地球の深淵に女神ペレはいつまで眠るのか?」
「レフアの静けさは何を物語っているのか?」
「女神ペレの声が聞こえないけれど、これからはしばらく静かに耐える時なのか?」
アパパネのさえずりだけが、時の止まったようなオヒアレフアの森高く響いて、チャントを唱え始めると灰色の雲が空を埋めていった。
なぜか哀しくポッカリ空虚な気持ちになって、しばらく、森の小径を進む...。あっ!こんなところに?『ペレの吐息』と呼ばれるスチームベントだが、シダにおおわれた岩肌の細い割れ目から、白いやわらかな蒸気が立ちのぼっていた。このような森深くに!
ペレは生きている。"すやすやとおやすみ" だ。微かに甘い草木の香りがするあたたかなミストを身体中に授かりながら、私はなぜかホッとゆるんで、心もみずみずしさで満ちていた。
さて、コロナ禍なるものを深い眠りでやり過ごした女神ペレ様は、このたび2021年10月また、ゆっくり目覚めた模様です。
2018年4月、『女神ペレが久しぶりにまざまざと目覚めた!』というニュースがハワイ中を駆け巡った。35年ぶりに、マグニチュード6の地震を伴い、プナ地区南部には真っ赤な燃えたぎる溶岩が吹き出した。地響きとともに稲妻が夜空をつんざき、激しい雷雨がヒロの街一帯にまで及んだそうだ。噴火が繰り返され、ハレマッウマッウクレーターは"マグマ溜まり"が一気に350メートル以上大陥没した!...という経緯だった。この火山活動の真っ只中、私はハーラウの生徒20人を引き連れてハワイ島ヒロに宿を取り、予定通りフラの旅をドキドキしながら続けていたのだが、夜になると遠方には、溶岩が発する光りで空が燃えるように赤く染まっていた。ベッドに横たわっても、躍動する無限のエネルギーが伝わり、身体中が震え眠る事ができなかった。
今回の大噴火は『火口岩盤に染み込んだ雨水の圧力が引き金となった』と報じられたが、確かに火山周辺からヒロまで、ハワイ島東部におけるこの年 1~3月の降水量は例年の3倍以上と多かった。私はちょうど2月に、約2週間稽古のためヒロにいたのだが、どしゃ降り続きで肌寒い毎日、泥だらけのビーサンで車の乗り降りをしていた記憶がある。ある日の稽古後、傘もささずに駐車場へ向かう途中、クム ナラニカナカッオレが言った。『久しぶりにこの雨は女神ペレの血となる』と。
2018年10月、噴火が沈静し再び入園が許可された"キラウエア火山国立公園"を訪れた私の目に飛び込んできたのは、バックリ!とそれまでの2倍以上の巨大さで、地底へと口をあけた凄まじいハレマッウマッウの姿だった。漆黒の壮大なカルデラの火口からは赤い溶岩が消えていた。ヒロに滞在中、私は、この"抜け殻" のようなイメージに豹変した女神ペレの棲み家を何度も訪れ、森の仲間達に尋ねた。
「地球の深淵に女神ペレはいつまで眠るのか?」
「レフアの静けさは何を物語っているのか?」
「女神ペレの声が聞こえないけれど、これからはしばらく静かに耐える時なのか?」
アパパネのさえずりだけが、時の止まったようなオヒアレフアの森高く響いて、チャントを唱え始めると灰色の雲が空を埋めていった。
なぜか哀しくポッカリ空虚な気持ちになって、しばらく、森の小径を進む...。あっ!こんなところに?『ペレの吐息』と呼ばれるスチームベントだが、シダにおおわれた岩肌の細い割れ目から、白いやわらかな蒸気が立ちのぼっていた。このような森深くに!
ペレは生きている。"すやすやとおやすみ" だ。微かに甘い草木の香りがするあたたかなミストを身体中に授かりながら、私はなぜかホッとゆるんで、心もみずみずしさで満ちていた。
さて、コロナ禍なるものを深い眠りでやり過ごした女神ペレ様は、このたび2021年10月また、ゆっくり目覚めた模様です。
emiikatoo
(カトーエミイ舞踊塾フラアーツ) 2021年12月 3日 23:52