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オヘカパラ?`OHE では `A`OHE の場合

古代ハワイ人は半裸でハシタナイ?とフラまで禁止にしたオセッ貝な西洋の宣教師達!
「下半身くらいは素敵な布や葉っぱで覆ってましたけどナニか?」
素敵な布とはおなじみKAPA(カパ)です。ポリネジアの広い範囲でタパと呼ばれ、アートとしても独特の文化を遂げた、ある意味“不織布”です。
作り方は、WAUKE(ワウケ)という日本の和紙作りに用いる“コウゾ”のような木の樹皮を剥ぎ取り、数日間、海水に浸します。その後、白い内皮部分を何枚か重ねて石の上に広げ、固い木の棒でトントン♪と丁寧に叩き伸ばしてゆくわけです。水につけては叩く...を根気強く繰り返すのは、主に女性の仕事でした。
しかしそこは楽しみを見つけるのが上手なポリネジアン。タパ打ちの強く鳴り響く音で遠方とやりとりをし、退屈な一日をやり過ごそうと考えます。隣の村に住む女友達に、♪タントカタトト「マグロがツレタ」♪トトテタタタ 「分けてくれる?」フフフ!みたいな?暗号会話を交していたそうです。文字を持たなかったハワイ人が、チャントの発音に裏の意味を持たせた、スゴ技に匹敵するやもしれません。天日で乾かして出来上がった生なり色のカパに、またはこれを草木染めした後、模様を描きます。まるでタトゥーの如く、一族のルーツや歴史・大自然などを様々なデザインで表現するのです。ストーリーを込めた描写が求められます。鮫の歯や波、鳥、太陽などわかりやすいものもありますが、まるでパスワードのようで解読は困難です。
クム  ナラニ・カナカオレが5年前に身につけていたカパは...実に不思議で、“土星から隕石がたくさん飛び出たような形”が記されていました。が、目にした途端にHALEMA`UMA`U(ハレマウマウ)だ!とピンときました。二ヶ所の噴火口と、三日月に見えるモチーフがあったので“フラカヒコのある曲”を表現していると理解した私は、「よくわかったわね~」 的なお褒めの言葉をクムから頂きました。ポリネジアン文化にはインスピレーションで向き合った方が良さそうです。

さてさて、その模様のほとんどが竹(`OHE)に彫刻を施し、スタンプをパターン化して作製していくのですが、これがオヘカパラです。顔料は、ククイの樹液に木材のすすを溶いて作られたものや、植物の根や葉などが使われました。しかし、スタンプで押しただけでは味気ない。筆のようにサッーと線描で、はらいたい。`OHEでは`A`OHE  (竹ではできない)  の場合!ここで登場するのが、大御所HALA(ハラ)です。フラカヒコの世界では、神聖な木として幾多のチャントの中で尊ばれてきました。ポリネジアに限らず南国では生活に密着した植物で、葉の部分はご存知“ラウハラ”として葺き屋根からマットまで幅広く活用され、甘い雄花はHINANO(ヒナノ)と呼ばれ香水にもなります。オレンジの実をカットして作るレイは冠婚葬祭に用いられました。で、その実が熟れ落ちて、カラカラに枯れてくるとよーく見てください!フワフワの “筆先” 誕生。

なるほどこれで、あの隕石が飛び出しているような曲線を描いたわけです。「とっても軽くて可愛いハラの実、だ~いすき」
こうして仕上がったカパは、ククイナッツオイルを染み込ませ耐水対策も。すぅ~ふっ~~!このシャリ感のある柔かい素材から香る、ハワイアンレインフォレストのようなどこか甘く深いグリーンノートのなんと心地良い!  そこに描かれた意味不明の柄が、なぜかネイチャー回帰を誘います。レイもそうですが、こうして“自然の恵みを肌にまとう幸せ”を味わえるのがフラの魅力の一つなのですね。
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