IN SALUTE 〜ごあいさつ
プロデューサー YOON I CHO
ハワイ語の理解力に乏しい私にとって、とかく単調に聞こえがちなフラソングを、日本人のエミイが、ステージでエネルギッシュに情感豊かに、しかも楽しそうに歌っていた。フラダンサーの動きを目で追い続け、手指のモーションをフォローするかのようなそのメレフラからは、不思議と歌の世界やハワイ語の意味が伝わってきた・・・・・・・・・。
ネイティブソングを、あるコンセプトのもとにレコーディングするプランが持ち上がった。エミイは言った。「カイルアコナの横町の雑貨屋のおばサンがウクレレを持って歌ったら、私より何倍も素敵なんダ!そんな何万というカマアイナ(土地っ子)をさしおいてフラソングはちょっとね…」安易に形にすることを畏れての返事だった。しかし“ポップスの名曲を集めてビッグアイランドの夜空の美しさを歌いたい”という彼女の強い希望のもと制作がターンオーバーした。月や星に結びつきのある古いジャズナンバーやハワイアンハオレ、彼女が“ハワイアン”にしてしまいたいぐらい大好きな日本の曲を集めてトライされた。
ハワイ島のリゾートホテル“フォーシーズンズ”でクニア・ガルデイラが「フラ・ミー・トゥーザムーン」を歌い、若いダンサーが舞った。エミイ・カトーの「スターダスト」で究極のモダンフラがクリエイトされた。このアルバムに収められたビング・クロスビーの1920年代の曲「ゲットアウト・ゲット・アンダー・ザ・ムーン」はもともとハワイアンソングだったのか?と錯誤してしまうような仕上がりになった。
おなじみ「南国の夜」「ハナレイムーン」では、元インヴィテーションズのバディー・フォーをコーラスに迎え彼のコンガが熱くバーストした。ケオニ・アトキンソンの力強いチャントが曲間を奏でた「ムーンリヴァー」のファンタジー。そして、ワイメア生まれのサニー・リムが ホシヨリヒソカニ、アメヨリヤサシク…♪ とささやく、日本の名曲「いつでも夢を」はとても素直なデュエットソングに仕上がった。日系人のノスタルジーを超えて、どう形を変えてゆくのか楽しみである。
エミイのピュアでストレートな甘いヴォーカル、クニアのソウルフルで熱い歌、サニーの優しいウィスパーヴォイス、ケヴィンの明るく柔らかな音色…
一本のマイクで同時にハーモニーを録る素朴なレコーディングは、かくしていい呼吸を生んだ。 |